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宮城県の自民党組織は6つの選挙区支部から成り立っている。そのうち第5選挙区支部は石巻市と河北・河南・鳴瀬・女川・牡鹿・矢本・北上・桃生・雄勝・田尻・南郷・涌谷・小牛田の各町の合わせて1市13町が範囲。
この1市13町には石巻市支部・河南町支部というように、それぞれ市町村支部がある。選挙区支部はこれら市町村支部の上部機関としての役割をもつ。自民党党員はこれら市町村支部か業界ごとの職域支部のいずれかに入党・登録する。年会費は4000円。この会費の中から党本部と県連が800円ずつ徴収し、残りの2400円が市町村支部と職域支部の活動財源になる。一方、県連と選挙区支部の資金源としては、党本部からの政党助成金が主なもので、この額は年間2000万円−3000万円ほど。このほかに個人・団体からの寄付で運営されている。
一般に、県連は選挙区支部の上部機関と受け止められているが、実はそうではない。党本部からの活動資金の受け渡しからもわかるように、両者は同列に位置しており、このことは自民党本部でも認めている。つまり選挙区支部というのは、市町村支部を傘下にもち、県連と対等に位置する、いわば「一国一城の半独立的な存在」ということができるだろう。
長々と説明したのは、このことがわからないと、これからお伝えする第5選挙区支部の現状が理解できないからである。
さて、本題に入ろう。 現在の第5選挙区支部長は斎藤修氏である。正確に言えば、自民党の第5選挙区支部には代議士がいないため、支部長は空位になっており、斎藤氏の正式な役職は「支部長代行」である。しかし現実には「県連も市町村支部も、斎藤氏を支部長とみなしている」(自民党関係者)と言われ、第5選挙区支部の規約にも「支部長代行は支部長の職務を代行する」と記されていることからすれば、斎藤氏を事実上、支部長とみて差し支えないだろう。
そして「第5選挙区支部の混乱は、支部長としての斎藤氏の資格と支部の運営の仕方が最大の問題」 (同支部の幹部)だと言われているのである。
まず、その資格についてだが、自民党本部は昨年8月31日に次期衆議院選小選挙区の支部長選任に当たって4つの基準を策定し、全国300の選挙区支部に通達した。その基準は@65歳以下,Aさる6月の衆議院選での惜敗率が70%以上、B公職選挙法違反などに関係していない者、C選挙に出馬する意思がある者−−というもの。簡単に言えば、支部長の条件は、現在衆議院議員か、もしくは次期選挙に出馬する意思がある者ということである。
この点について斎藤氏は全く該当していない。「これまで国会議員をしたことは一度もないし、出馬したこともない。第一、市会議員になったこともない。だから、なぜ斎藤氏が支部長になり、今でも支部長でいられるのか。第5選挙区内の多くの者は不思議に思っている」(地元の政界関係者)
斎藤氏の本業は「第一抵当証券はじめ、実態がよくわからない会社を数社もち、ビルのオーナーでもある」(地元の政界関係者)と言われ、その素性についても「確かな経歴を知っている人は少ない」(同)という。
斎藤氏のように支部長の資格条件に当てはまらない人物が支部長に就いているケースは、「全国に300ある自民党の選挙区支部の中でも異例中の異例で、3つしかない」(自民党関係者)と言われている。確かに、現職の代議士が不在の選挙区支部がないわけではない。ただ、その場合には県連会長が支部長を兼任し、支部長代行には次期選挙に出馬する意思があるものか、もしくは県会議員が就任している。
また、第5選挙区支部に、斎藤氏のほかに支部長及び支部長代行になり得る有資格者がいないということではない。わけではない。すでに次期選挙への出馬の意思を固めている人物が少なくとも1人はいるし、県会議員も5人いる。こうしたことからすれば、先の政界関係者が述べたてように「なぜ斎藤氏が支部長代行でいられるのか不思議だ」というのも頷けることであろう。
支部長の資格と運営に対して批判が噴出!
次に第5選挙区支部の運営の仕方だが、実はこちらの方も不思議なやり方をしていると言わざるを得ない。
第5選挙区支部の規約には、概要次のことが謳われている。
・(第6条)支部長・支 部長代行及び副支部長 は支部大会において選 出する。
・(第15条の2)支部大 会は毎年1回、支部長 が招集する。
・(第15条の5)支部大 会は構成員の2分の1 以上をもって成立する。
・(第38条の1)本支部 の役員の任期は2年と する。ただし再任を妨 げないものとする。
・(第38条の2)補欠の 場合の任期は前任者の 残留期間とする。
・(第38条の3)役員はその任期が満了または 終了した後でも、それぞれの手続きを経て後 任者が決定するまでは 引き続きその職にある ものとする。
・(第43条)本支部の予算並びに決算は支部大会に提出し、その承認 を受けなければならない。
第5選挙区支部は「この規約を平成7年から実施する」と明記している。ところが、実際には「平成7年以降、今に至るまで支部大会は1度も開かれていない」(支部のある幹部)という。
ということは、規約に明記されている役員の改選はもちろん、選挙区支部の予算・決算の承認が全くなされていないまま、すでに6年以上が経過していることになる。このため「我々が納めている会費がどのように使われ、第5選挙区支部としてどういう方針で、どういう活動をしていくのかは、重要な問題だ。それを討議する支部大会が開かれないというのはおかしい」(支部関係者)という声が選挙区支部内に湧き上がっているという。
言うまでもなく、選挙区支部というのは「選挙に勝つこと」を目的に組織されたものであり、このことは規約にも明記されている。しかし、支部大会が開かれていないのでは、「常在戦場」といわれる選挙活動が行なわれていないのに等しい。
第5選挙区支部はその昔、大臣を2人輩出するなど自民党の牙城であり、「保守王国」と評された地域である。それが今では民主党の地盤に様変わりしてしまった。この要因として、「斎藤氏が支部長でいることへの疑問と反発があって、支部内がまとまらないことも大きい」(ある幹部)と指摘する声もある。
こうした事態を憂慮した第5選挙区支部内の市町村支部の幹部は、署名を添付した要望書を提出するなど、再三再四自民党本部と宮城県連に改善の要請を行なってきた。
これに対する党本部の回答は「党本部としては斎藤修氏を支部長と認めていないし、宮城5区の支部長はまだ決定していないと党本部は認識している」「支部長の決定は党本部と県連が調整して決めるもので、党本部が県連に対して指示を出すことはないし、宮城5区については県連から申請がない」というもの。要するに「県連に下駄を預けた」ということである。
一方、県連はどうかというと、「現在までこれといったことは何一つしてくれていない」(支部の幹部)状態だという。県連の規約に「支部大会を2ヵ年以上開催しない支部に対しては、県連が積極的に指導し、その支部の正常化を図る」と謳われていることからすれば、県連が静観しているのは、どう考えてもおかしいとしか思えないだろう。
では、なぜ県連は放置したままにしているのか。政界関係者はこう解説する。「石巻地域はその昔から゛政争の街″と言われ、今でもその余燼がくすぶっている。斎藤修という人物にしても、よく素性がわからないし、近寄りたくないというのが本音だ。要は゛支部内の問題は支部で片づけてくれ″ということだ」 しかし、そんな「腫れ物にさわる」ような態度を、いつまでも繰り返していいものなのかどうか。
自民党は小泉政権の誕生で復活の兆しは確かに見えている。しかし、現在の自民党支持は一時のムードであり、真に再生したと言えるものではない。再び奈落に落ちる可能性は多分にあり、その要因は有権者の評価以上に組織内の亀裂から生じることが多く、この組織内の亀裂の方が病巣としては深く、厄介なものである。
そして第5選挙区支部は、現実に亀裂が起こっている。自民党県連がどう処理していくのかは、次期衆議院選を勝ち抜く上でも、避けて通れない問題であろう。
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