2002.7
第7号
5P
ダイジェスト
目次
 支部長代行の運営方法と、次期衆議院選公認候補の選考を巡って、自民党第5選挙区支部で内紛が続いている。改革派が正常な形に戻そうとしていることに対し、守旧派はその動きをクーデターと捉え、改革派を除名し排除した。一連の抗争で露呈したのは、自民党の「醜態」とも言うべきお粗末さである。(一部敬称略
大会が開催されたビル
  "事件"が起こったのは、午後1時半を少し回ったときである。
6月1日、仙台マークスGホテルで開催された「自民党宮城県連大会」。村井嘉浩・幹事長代行が党情報告の中で「次期衆議院選挙公認候補予定者選考について、第5選挙区支部公認候補予定者として斎藤正美県議を自民党本部に対し、公認申請を行なう」と発表するや、間髪を入れずに第5選挙区支部の木村宏・南郷町支部長が「異議あり!」と発し、概要、以下のような「抗議文」を読み上げたのである。
「今年5月26日に開催された第5選挙区支部会議において、次期衆議院選の公認候補予定者として、斎藤正美県議の擁立を決定したとのことだが、この決定は次の理由により無効である」
【理由1】この会議は第5選挙区支部長として正式に自民党本部から任命を受けていない、招集権のない斎藤修氏によって招集されたものだ。従って会議の決議は全て無効である」
【理由2】前回の衆議院選では土井喜美夫、斎藤正美、二見剛の3者による変則的コスタリカ方式を組み、土井喜美夫が第5選挙区公認候補者となり、二見剛が比例代表東北ブロックの候補者となった。今回もコスタリカ方式を持ち出すのであれば、これら3者で調整を行なうべきだ。斎藤、二見の間で事前調整した結果、斎藤正美に一本化されたとするが、事前に何ら協議がないコスタリカは認められない」
【理由3】比例区に登録しない者は立候補の資格はない。前回、斎藤正美は県議を辞職し、比例区に登録すべきところを登録しなかった。これは候補者の資格を自ら放棄したものであり、この時点でコスタリカは白紙に戻っている」
【理由4】コスタリカ方式は党本部で決定するものであり、勝手に県連、選挙区支部ができるものではない。従って今回の斎藤正美の擁立は無効である」
【理由5】第5選挙区支部会議には14地域支部のうち10支部が出席したとしているが、この前哨として昨年10月26日付けで渡辺熊夫・牡鹿町支部長、永沼勝・雄勝町支部長の除名処分を行ない、新たに町支部を結成して支部長を選任し、会議に出席させ数合わせを行なったものである」
【理由6】渡辺、永沼両名の除名に関しては、先の除名は無効であり、今年5月2日付けで三塚博・県連会長から党規委員長に対し、改めて諮問している。従って昨年10月26日付けで斎藤修氏が行なった除名は無効である」
 これに対し、村井幹事長代行は次のように説明した。
「確かに斎藤修氏の支部長選任通知書は党本部から来ていないが、第5選挙区支部に党本部から政党助成金が支給されていることから、斎藤氏を以前から支部長として県連は認めている」
「前回のコスタリカ方式は存続している。従って次期衆議院選では斎藤正美が選挙区から、土井喜美夫は比例区で出ることが決まっている」
「渡辺、永沼両名の除名については、5月2日に県連会長から党規委員長に諮問され、その結果、昨年10月26日に遡って除名処分を決定した」
 これを受けて第5選挙区支部内の石澤綾夫・田尻町支部幹事長は「自民党は開かれた党と言いながら、こんなことでは何も開かれていない。このような状況では選挙は戦えない」と強く抗議。会場からも「その通りだ!」という声が飛び交った。
 続いて再び木村氏が発言しようとしたところ、県連側はマイクのスイッチを切って、発言を封じたのである。
 この日、会場には県内の自民党関係者のほか来賓者、報道陣など約400名が出席していた。衆目の中での前代未聞とも言える"内部告発""直訴"に、場内は異様な雰囲気に包まれた。自民党県連ははしなくも「醜態」を晒したことになった。
 (中略)
 県連がそれでも正美氏を推すのは何故か。その理由は県連組織が県議によって構成されていることによる。「落選するとわかっていても、同じ立場の県議に『負けるから出るな』とは言えない。自分たちだって上(国会議員)を狙いたいという野望が少なからずあるから」(ある県議)ということと、自民党が事実上は「自分のことしか考えない『自分党』だから、他人がどうなろうと関係ない」(自民党関係者)体質に尽きる。
 (中略)
 政治は人間が行なう仕事の中で、最も倫理が求められる、最も崇高な務めである。人倫を踏み外した節操のない人物と、自ら民主主義を捨て去ったかのような自民党県連の醜態とも言える愚挙。物笑いのタネ以外の何物でもなく、有権者の自民党離れが加速的に進むのは推して知るべしであろう。
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