2002 8
第8号
6P
政治家の元秘書がその顔を利かせて、自治体と建設業者の橋渡しをし、公共工事に絡んだ口利きビジネスで多額の手数料を得る、 これが「業際研究所事件」の本質である。だが、こうした口利き稼業を行なっているのは「業際研」だけに限らない。現役の代議士秘書が迫町を舞台に暗躍している。その構図を追ってみた。
ここに一枚の文書がある。「迫町の入札方式」と銘打たれたもので、中身は迫町が発注する工事について、工事予算額と入札参加方法・入札参加資格などが、平成10年5月1日から改正・実施されることを示している。不思議なのは、この文書の送り先である。コピーを見ていただければわかるように、文書は入札方式が改正される数日前の4月24日に「迫町役場」から「衆議院議員 遠藤利明東京事務所」にファクスされている。そして「遠藤事務所」が迫町のある建設業者にファクスしたのが、このコピーである。
(中略)
実は「この文書は遠藤代議士の第1秘書の及川昭広氏に流したものだ」(迫町の建設業者)という。ではなぜ迫町役場が及川氏に流す必要があったのか。地元業者の一人は「彼が迫町の公共工事の口利きをしているからだ」と断言する。
(中略)
では及川氏が行なっていると言われる「口利きビジネス」の構図とはどのようなものなのか。地元業者はこう解説する。「(冒頭に触れた)この文書からもわかるように、及川にこういう工事があると教えているのは、役場の人間だ。それも及川とつき合いの深い人間ということになる。我々業者はズバリ伊藤吉衛・迫町長だと見ている。町長以外にこんな大胆なことをできる者は、役場にはいない。
及川はこの工事計画に基づいて、大手ゼネコンや中堅ゼネコンに『やらないか』と声をかける。そのとき及川は条件を付けている。それは懇意にしている地元業者を必ず下請け業者として入れることが一つ。もう一つは特定業者をトンネルとして使うことだ。この結果、及川は元請けのゼネコン、下請け業者、トンネル役の業者から、それぞれ金を得ることができる。問題はその金がどう流れているかだが、恐らく伊藤町長、及川、トンネル業者で分配していることは間違いない」
(中略)
なぜヤマダ地所がトンネル企業だと言えるのか。その根拠となるものがある。平成10年、迫町が発注した公共下水工事を、日本国土開発が元請けとして受注した。ところが日本国土開発はその後倒産する(現在、会社更生中)。このため日本国土開発が振り出した手形は不渡りになった。この手形(1400万円とも1700万円とも言われる)をヤマダ地所がもっていたのである。
(中略)
もう一つ証拠がある。それはヤマダ地所が水道工事を行なう資格を有していないということだ。何よりも宮城県に提出している工事実績を見ると、ヤマダ地所が請け負っているのは全て民間工事で、公共工事は一つも手がけていないのである。
水道工事の資格がなく、公共工事をしていない。それでいて元請け業者から振り出された手形がある。ヤマダ地所を意図的に工事の受注に絡ませ、トンネル企業として利用したとしか言いようがなかろう。
(中略)
一方、ヤマダ地所を頻繁に介在させることにためらいがあるのか、「伊藤町長、 及川氏のルートだけの場合もある」という業者もいる。その一つとして業界の一部で明らかになっているのが、平成8年の金の授受である。この年、伊藤町長は町長になって2年目で、ある中堅ゼネコンが病院建設を受注した。この受注御礼ということもあってか、「中堅ゼネコンが200万円を及川を通じて町長に渡るようにした。町長選にかかった費用の埋め合わせにということだ。後日、及川は町長から『町長室に金を持ってこい』と言われたという話が流れた」(地元業者)と述べる。
これとは別にほかの大手ゼネコンも選挙資金にということで、伊藤町長に貢ぎ、「その金を町長宅に運んだ設計業者も、業界内の数人は知っている」という関係者もいる。
(後略)
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