「合併は必要」としながらも、疑問が投げかけられてもいるのだ。 その一つは「余りにも急ぎすぎる」との指摘があることである。町議の一人はこう洩らす。 「合併に対して町民は期待と同様に、中心部だけが栄えて周辺地域は取り残されるのではないか、町が大きくなることで住民の声が反映されにくくなるのではないか、などの不安ももっている。こうした不安を解消するために、合併推進協議会の段階で充分な説明をすべきだったが、それがなされないままに法定協議会を立ち上げてしまった。このため拙速の感じを受ける」 冒頭にも記したように、合併研究会から法定協議会設立までの期間は3年8カ月。合併推進協議会から法定協議会まではわずか9カ月でしかない。合併が将来を見据えた百年の大計なことからすれば、テンポが速すぎる印象は否定できそうにない。
(中略) それでいて4町は合併の目標年次を来年4月と設定している。ちなみに政府は広域合併を促進させるため、時限立法の「合併特例法」を策定。平成17年3月までに合併する自治体には合併支援措置を行なうことを告知している。そして総務省では、法定協議会の設立から合併までに要する期間の目安を22カ月と見込んでいる。そのスケジュールの内訳けは、合併協議準備に2カ月、市町村建設計画策定に6カ月、合併協定項目協議に8カ月、合併準備作業に6カ月−−というものだ。4町の場合はこれらを14カ月で処理していくことになる。 「果たしてこのスケジュールで不備なくできるのか」(町議)という疑問・不安の声が起こるのも当然だろう。
(中略)
問題点の二つめとしては「新しい町のグランドデザインが描かれていない」と指摘されていることである。前述したように、4町は合併後の姿として、中新田地区を「文化商業ゾーン」、色麻地区を「保健医療福祉ゾーン」、宮崎町を「生涯学習ゾーン」、小野田町を「自然ふれあいゾーン」と位置づけ、「総合的な機能を備えた町が誕生する」と謳っている。だが、これに対して疑問が投げかけられているのだ。ある町議は言う。 「これは単に各町の特徴をゾーンとして示しただけにすぎない。合併の最大のメリットは、新たな町としてどういう付加価値を生み出していくかということだが、そうした展望が少しも形づくられていない。これでは4つの町を数合わせしただけではないか」 ある商工会の会長もこう述べる。 「今回の合併の最大の目的は、財政基盤の確立と少子・高齢化に伴う過疎化をどう防ぐかだ。ところが町が示した土地利用計画では、ゾーン以外の地域については何も触れていない。町の中心部だけが栄えて、他のところは捨て置かれるのでは、過疎化はさらに進むことになるだろう」
(以下略)
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