読者もご存知のように、小誌はこれまで『田島良昭研究』を6回にわたって記事・掲載した。その理由は田島良昭氏が県福祉事業団理事長として福祉の分野で活動するだけでなく、浅野史郎知事の「政治指南役」として知事の政治判断並びに県政運営全般に関わっているとの見方が、小誌のみならず県議会・県庁内部でもされていることから、田島氏のこれまでの言動の実態を明らかにすべきだと判断したことによる。その田島氏は昨年3月末に福祉事業団理事長を辞職し、一介の市井人となった。ところが今年4月、再び福祉事業団理事長に返り咲いた。「故郷の長崎に帰る」と言っていた人がなぜ復帰したのか? これまでの一連の言動の不可思議さは何ゆえなのか? その疑問を問い質す必要があると思い、インタビューを申し込んだ。
―― 理事長を辞めた昨年3月末と相前後して、浅野知事はその前の2月県議会とその後の6月県議会で「田島副知事案」を提案した。結果的に2度とも否決されたが、田島さんとしても副知事として県政に対してできるという意思があったからではないか。
田島 それはあったというか、知事からそのー、えー副知事として、というのはその前に2期4年で事業団理事長を辞めるということは最初から言っているものだから「本当にそう思っているのか」と知事から聞かれて、「それはそうですよ。いつまでもというわけにはいきませんから」とは言っていた。そのとき知事から「松木(伸一郎)さんのあとに副知事として手伝ってくれんか」というような話があった。だから私としては、福祉のことについてはある程度あったけど。
ただ、知事という仕事は行政のトップであると同時に、ある面では政治家でもあるわけだ。だから、その面では知事のところにいろいろな副知事以下のたくさんのスタッフが、行政についてはきっちりフォローする方がいる。だけど政治的な部分はどちらかというと弱いのではないか
―― 知事が?
田島 ええ。そういう意味で、特に例えば議員さんたちとか、市町村長さんたちとの意思疎通が非常に弱いということは、よく言っていたから。そういうところのつき合いも含めて、もちろん福祉や教育や環境などの問題も、私なりに興味もあったし。「そういうところでお手伝いできることがあれば、じゃあさせていただきます」ということだった。
(中略)
――しかし田島さんは政治にも異常なほどの関心をもっている。県議の多くは「田島氏は知事と二人三脚で県政を動かしている」と指摘していることは、田島さんも知っているはずだ。
田島 はい。政治というが、福祉はある面でそのまま政治なんだ。福祉で我々が言っていることは、政治全体の中の一部かも知れないが、一部でも政治なんだ。政治=福祉、福祉=政治みたいなところがある。その部分は私はしっかりやらなくてはいけないと思っている。