「ベガルタ仙台」の一大スポンサー、ドーム球場建設の推進役などで、アイリスオーヤマ鰍フ名前はつとに知られている。地域に密着した企業として「地域への貢献」を企業理念に掲げ実践しているものだが、その背景には宮城県内はもとより東北地域有数の成長企業としての実績があることは言うまでもない。「生活ソリューション(提案)企業」を標榜、実践しているアイリスオーヤマの飛躍の要因は何によるものなのか。昨年、社長就任40年を迎えた大山健太郎社長に、その「企業哲学」「事業戦略」について語ってもらった。
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〔プロフィール〕
大山健太郎社長は昭和20年生まれの60歳。東大阪市出身。大阪府立布施高卒業。昨年、社長就任40周年を迎えた。現在、(社)東北ニュービジネス協議会会長のほか、(財)産業デザイン交流協議会副会長、(社)東北経済連合会常任理事、仙台経済同友会幹事、みやぎ工業会理事に就任。特に東北ニュービジネス協議会は04年から活動の柱として「ニュービジネス経営塾」を開講中。これは産・学・官と連携し、経営者が抱えているマーケティング・組織と人事・モノづくり・物流・資金調達などの諸問題について講義していくもの。大山会長自らも講師を担当。東北6県で開催しており、県境を越えた東北地域のオーナー経営者の交流の場としても、好評を博している。また、大山社長は東北工業大学の非常勤講師として教鞭を取る。03年に中国・大連市から「大連市名誉市民」の称号を授与された。 |
大山 一般的に、中国に出る企業が苦労するのは「三つのM」をマネジメントできないからです。Mの一つは「マネー」。当社の場合、お金は全部日本で我々がコントロールしており、現地では借りない。だからトラブルがないんです。Mの二つめは「マーケット」で、商品をどこで売るかということ。中国で売ろうとしても売り方の問題、回収の問題などがあって、なかなか難しい。当社の場合は、大連工場で造ったものを、日本や欧米の当社で全部買い上げるシステムだから、マーケットが確立している。Mの三つめは「マネジメント」。このマネジメントの全てを我々が教えたということです。だから、お金を持っていって、マーケットとマネジメントをコントロールすれば、中国でもインドでも、世界のどの国にいっても日本国内と同じようにできる。これが大事なんです。
──メーカーベンダーのメリットはどういうものですか。
大山 アイリスがメーカーベンダーをと考え、実践していることは、そうしたわずかなものではなく、商品開発・商品提供に主眼をおいているということが大きい。
新しい商品というのは、売れるかどうかはわからない。問屋もリスクになるから扱いたくない。つまり新商品というのは、全部リスクなんです。だからメーカーも問屋もブレーキを踏みながら進めていく。ところが、当社の場合は新商品をどんどん造るために、従来の問屋が踏むブレーキを取ってしまった、ブレーキがないということ。これがメーカーベンダーの大きなメリットで、リスクは会社のリスクだけで済むわけです。
商品づくりのカギは
「S・E・G」にあり
大山 「自分たちが欲しいものを、自分たちでつくる」というのは、こういうことなんです。家庭内、暮らしの中での不満を如何に解消していくかということから、商品づくりが始まるわけです。よく「お客様の立場に立って」と言うけど、実はそれは自分の立場なんです。私の商品づくりのポイントは「S・E・G」の三点に尽きます。シンプル(簡単に使えるもの)・エコノミー(低価格)・グッド(機能がよいもの)です。お客様は高価格でベストの商品を求めてはいない。