| パロス 2006 4月号(第17号) ダイジェスト | ![]() |
| 検証 浅野県政とは何だ、たのか! | |
| その1 浅野史郎・前知事インタビュー | |
「我れ『浅野流手法』を語る」 |
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「何をやるか」ではなく「手法」を意識
浅野 何も考えていなかった。そもそも私は知事になるという人生設計はもっていなかったし、前知事がゼネコン汚職による突然の逮捕で、故郷宮城県が混乱している。私も恥ずかしい思いをした。何とか誇りを取り戻さなければという思いで踏み込んでしまったということだ。だから知事として壮大な計画とか構想はないままに入ってきた。 --3期やったわけですが、1期ごとに今度の4年間はこれをやるというような柱を考えたんですか。
浅野 あんまり考えなかったね。もちろん、そのときごとに選挙だから公約は立てたけど。2回目以降から少し落ち着いたけど、少なくともそんなに大それたことは考えなかった。 盟友・田島良昭氏の
本当の役割 浅野 実際のブレーンとしては成毛真(マイクロソフトジャパン前社長・現在のインスパイア社長)さん。この人からは緊急経済産業再生戦略のセールスレップといくつかのアイデア、実際に人材も借りた。これは具体的なブレーンとして政策から生かしてもらった。竹中ナミ(社会福祉法人プロップ・ステーション理事長)さんは国体のときに写真撮影を障害者の人に任せるということを、人も含めて手伝ってもらった。全般的なことでは寺島実郎(三井物産戦略研究所所長)さんで、私の個人的なことでの考えや枠組みということで、ものすごく大きな示唆をいただいた。 --田島良昭(県社会福祉協議会前副会長)さんや目黒泰一郎(厚生病院院長)さんもブレーンに入るんでしょう? 浅野 田島良昭についてはご存知の通りだ。彼の場合は対話をしての外の眼を向けてくれる対象です。彼は常に県庁組織に結果的には批判的なんだ。例えば県庁職員の能力について、僕は受容的だけど、彼はそれではダメだと言う。それは必要なんです。僕は中(県庁内)の人間になっているし、それまでも厚生省という官僚機構の中の人間だった。それで僕が当たり前だと思っていることに対して、それはおかしいと別な視点を田島氏は出してくれた。 そして、この視点を組織化したのが政策調整監室だ。政策調整監という集団はアイデアを出すなど、組織的なブレーンの役割を果たすものだが、視点は常に組織外の立場で物事を考えてほしいということで設けた。具体的にどういうことかというと、僕は知事として各部局から説明を受けたりする。僕も当然わかっていることだけど、各部局は都合のいい情報しか言わない、ウソは言わないけども。でも都合の悪い情報を言わないというのは、消極的なウソとも言える。また、結論を自分たちの都合のいい方向に誘導しようとする。僕の方は圧倒的に情報量が少ないし、考える素地もないうちに各部局がやってくる。そのため反論のしようがないし、時には問題の所在すらわからないこともある。
そのときに一緒に聞いていてカウンターをするのが田島氏の役割だ。「もっと別な情報はないのか」とか「あの説明の背景は何なのか」ということで、あらかじめ大きな問題としてわかっているものについては予習してくれて、僕に「こういう観点で聞いてほしい」とか「この問題にはこういう背景がある」ということを、事前の場合には予習し、事後の場合は解明する。これはシステム的に有効だったし、これがないと裸の王様で言われるがままになってしまう。これを組織外で一匹狼としてやったのが田島良昭だ。戦略的批判家、戦略的コメンテーターというような役割を果たした。 大真面目に意識してやったパフォーマンス --浅野さんのスタイルは「パフォーマンス政治」と言われました。 浅野 これは褒め言葉だと思っている。パフォーマンスというのは情報発信力みたいなものだから。同じことをやっても全然伝わらない場合があるし、そういう人もいる。だけど大体の場合は情報は発信したほうがいいし、目立った方が効果がある。それを心がけてやった場合もあるし、普通にやってそうなった場合もある。いずれにしてもパフォーマンスというのは、言っている方では揶揄して言っているんだろうけど、僕は褒められているんだと思うようにしてきた。パフォーマンスだけで中身がないなら揶揄される部分があるだろうけど、私は中身を持ってやってきた。 例えば知的障害者施設解体宣言を、なんで宮城県の解体宣言を滋賀県大津市で言わなくてはならないのか。これは全国に発信していくという考えがあって、宮城県のことではあるけど、全国共通のこととして考えましょうということだった。賛否両論あったけど、この問題についてはこうしたやり方が絶対いいと思った。これが悪い意味でのパフォーマンスだというなら反論したい。 --パフォーマンスというのは性格によるものですか。 浅野 性格もあるかも知れないけど、プレーアップということを大真面目に意識してやっているところはある。パフォーマンスというのはまさにそうで、大真面目にそうやるべきだと、かっこよく言えば信念みたいな気持ちでやっている場合が僕は多かった。 --そのパフォーマンスの最たるものが選挙手法だと思う。あれは浅野さん自身が考えたのですか。 浅野 これは話すといっぱいある。2回目の知事選がそうで、3回目はさすがに元気がなくなったけど。あのやり方は誰が考えたのかというと、個別のものもあるけど、全体としてはパフォーマンスというのは大変いいことなので、「この選挙を県民挙げて」ということだった。県民挙げて46都道府県に、全国にパフォーマンスしようという思いはかなりあった。 (中略) それから政党・団体の推薦を受けないということにした。これはそれらがメインというよりは、それがあると一般県民は選挙はそちらに任せておけばいいんだということで、コミットメントの契機が生まれない。空白をつくらなくてはいけない。選挙運動はインナーサークルだから、政党も団体も選挙のプロだから、我々アマチュアは周りを取り囲んで眺めているだけという図式をつくってはいけない。インナーサークルを解散させなくてはいけない。それで政党・団体には一歩下がってほしいということで、推薦は要らないというスタンスをとった。 だから政党拒否とか、政党が嫌いだと受け取られたのは本意ではない。この選挙においては政党は少なくとも一歩下がってほしい、但し支援するのは勝手ですよ、ということだ。 --マスコミはそれを「脱政党」と表現した。でも一歩下がってくれということと、脱政党とは全然違います。 (後略) |
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