|
「東西線は財政的に全く問題ない」
──昨年の市長選では「東西線事業を行なえば、仙台市の財政が破綻する」という候補者が多かったし、市民の中には今でもそう受け止めている人がいます。実際のところどうなんですか。
加藤 そうした意見は非常に不満ですね。彼らは何かというと南北線を出してくる。「南北線は乗客23万人が目標で、今のところ16万人でしかない。だから赤字だ」という。でも平成20年頃には単年度で黒字になる見込みです。東西線も単年度で開業9年目、累計で20年目に黒字なる計画で進めている。財政が破綻することはあり得ない。
それに東西線事業が福祉・教育面など、市民生活に関わる予算を切り詰めてやるというなら、反対するのもわかるけど、そうした切り捨ては全くしないで進めている。
事業の積立金はすでに515億円あるし、開業予定の平成27年度
までには仙台市の実質負担額921億円は充分蓄えられる。だから積立金だけで一般会計分は充当できる。財政的に全く心配ないと言えます。
仙台市のネックは
産業経済と交通基盤
──仙台市の財政状況が悪い、破綻しそうだとマスコミも報じ、そう指摘する人も結構います。実際はどうなんですか。
加藤 そうしたことは全くないです。今、どこの自治体をみても赤字や負債を抱えているし、景気が悪いことから歳入が落ち込んでいるため、財政状況がいい自治体はあり得ない。そうした中で仙台市の財政状況をみると、政令都市の中では真ん中より上位に位置している。仙台市は7千億円の借金があると指摘されるが、他の政令都市と比べれば、その額も真ん中ぐらいだし、毎年返還している額も真ん中くらい。仙台市の財政基金はゼロだという候補者がいたが、基金は政令都市の中では一番多い。基金総額は1800億円あるし、今年度は280億円ほど戻ってくる。このうち600億円は返す分として貯めています。
また、仙台市の職員一人当たりが何人の市民を抱えているかというと、140人です。一番多く抱えているのは福岡市で160〜 170人、次が札幌市で150人。仙台市は3番目。人件費や扶助費などの事務的経費比率についても、政令都市の中では少ないランキングで上から2〜3番目に位置しており、これは市民の生活に迷惑をかけていないという証拠です。
実は、北九州市の都市協会という財団法人が、一昨年に「住みよい都市調査」を行なっている。自然環境・教育文化・都市基盤・福祉・産業経済など7つの分野に分けて調査したもので、これによると仙台市は福井市について上から2番目にランクされている。仙台市は全般的に高い点がつけられたが、一番低かったのは産業経済分野で、これは政令都市・大都市の中で、仙台市は下位にある。だから私どもは産業経済に力を入れないと、今後、仙台市の自立はできないと考えていた。
そしてこの都市協会の調査の中で、仙台市が2番目に悪かったのが交通基盤です。これは仙台市が後続の政令都市だったこともあって、交通基盤整備が遅れたことによる。仙台市の借金が増えたのも、そうした都市インフラ整備が急務だった面が少なくない。
(中略)
藤井市政が蒔いたタネを
梅原市政での結実に期待
──藤井市政で評価する点は。
加藤 藤井前市長は「人間と環境の世紀」ということを施政方針で掲げた。「百年の杜づくり」もあるが、一番大きいのは市民みんなが市政に関心を持って関わってもらえるように進めてきたということだろう。NPOサポートセンターは仙台市が全国で初めて率先して設立したもので、これはあまり見えていないけれど、大変大きなことだと思う。つまり市民参加型の風土・コミュニティーという、都市のアイデンティティーを生まれさせたということだ。
それと文化水準を向上させたことも評価できる。人間は働くため
に生まれてきたのではなく、楽しい生活を得るために存在している。そのことからして、芸術・スポーツをはじめとする文化の向上に、藤井前市長は相当力を注いできた。それも市民参加という形で。サッカーも地域スポーツとしてそうでしょう。
──梅原市長に望むことは?
加藤 新市長には元気が出る街づくりをしてほしい。それを成すことが福祉や教育にもつながってくると思う。これまで藤井前市長は福祉分野のフィンランドプロジェクトや、産学官の連携による新産業創出を行なってきた。それらの施策・事業の実を結ぶのが新市長の役割だと思う。これまで藤井市政が種をまき、蕾がふくらんだ。これからは新市長の若さとバイタリティ・交渉力に期待したい。(以下」略) |