| パロス 2006 9月号(第19号) ダイジェスト article3 | |||
インタビュー 「県立高校学区制問題」で松良千廣・学校法人常盤木学園理事長が論白! |
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「高校は誰のためにあるか?」
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| 県立高校の通学区域(学区)制度の見直しについて、論議が喧しい。県教育委員会の諮問機関「県高校入学者選抜審議会」は「学区撤廃が最も望ましい」との答申素案を取りまとめたが、県教職員組合・県高校教職員組合・一部の市民団体などが撤廃反対を表明。県議会でも賛否両論がある。そこで教育問題に精通し、自らも私立高校を経営している松良千廣・学校法人常盤木学園理事長に、この問題について意見を伺った。 | |||
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「答申素案は本音と建て前の矛盾がある」 ―― まず学区制撤廃について、どうお考えですか。 松良 撤廃によってエリート校が出たりなど、高校の序列化が起こる可能性は高い。その結果、ある学校にはもっと勉強しないと入れなくなることにもなる。でも、そうだとしても、中学生にとっては選択肢が広がり、努力すれば行きたい学校に行けるようになり、これは素晴らしいことです。学区制撤廃によって、宮城県がこれまでの教育後進県から脱皮するきっかけになれば、これに越したことはないです。 ―― 県教育委員会の諮問機関の高等学校入学者選抜審議会が先に「県立高等学校の通学区域(学区制)の在り方について」という答申素案をまとめました。どう評価しますか。 松良 ざっと見たかぎりでは建前が並んでいて、中身として矛盾が出ているように思います。例えば撤廃を打ち出していながら、一方では「仙台一極集中の解消を配慮しなければならない」などと掲げている。学区制撤廃というのは、学区制を敷いたときの狙いを実質的に全部捨てるということです。そのことからすると、素案は本音と建前の矛盾点が出ている。今回は本音の部分で宮城県の教育をよくしようという意図に尽きているわけだから、建前をきれいに捨ててしまえば、わかりやすいはず。本当にやるのなら、配慮などという後ろ髪を断ち切らなくてはなりません。 「学区制は中学生の権利を奪ってきた」 ―― 県議会には「撤廃の期限やその進め方が拙速すぎる。もっと意見聴取するなど、慎重に行なうべきではないか」という意見もあります。 松良 私は拙速すぎるとは思わないですね。意見聴取にしても誰からするのか。OBからするなんていうのは何の意味もない。何しろこれまで生徒中心の意見聴取をしてこなかったわけだから。時間を延ばしたとしても、結局やらないような気がします。 ―― それに、今どき「時期尚早」とかで何かをストップしようというのは、理屈のない人の言葉です。話になりません。学区制は中学生の権利を奪ってきたと思う。しかも仙台市に関して言えば、現行の学区制はなぜか仙台市を二つに分けた。そのため逆に遠くの学校にしか行けなくなった生徒が出てきた。東西に長い仙台市を南北に分けるなんて愚の骨頂です(笑い)。 学区制撤廃に反対する意見として「仙台一極集中になり、郡部の高校がすたってしまう」という声が挙がっていますが、この点についてどう思いますか。 松良 子供たちの希望からすれば、ある程度仙台に集中することはは避けられないでしょう。しかし見方を変えれば、今こそ郡部の学校が特色を発揮する契機だと思います。生徒が仙台から郡部に逆流する努力が必要です。県立高校はこれまで画一的で金太郎飴を提供する義務があったけど、撤廃されれば特色を打ち出すことが許されるし、そうしなくてはならなくなる。チャンスだと思って頑張るべきでしょうね。 (中略) ―― 反対論者に対して一言言うとしたらどんなことを。 松良 実は私も撤廃反対の誘いを受けたんです、もちろん断りましたが。撤廃反対運動以上に共学化反対運動を見ていて感じたことは、「高校は誰のためにあるのか」という議論になかなかならなかったということです。その理由としては、卒業生による反対運動が中心だったことが大きい。私からすれば高校は誰のためにあるのか。それは中学生のためにある。つまり次の消費者のためにどうすべきかということが本質なんです。そのことからすれば、肝心の中学生が学区制についてどう思っているのか、意見を聞く必要がある。ところが意見聴取にほとんど出向いていなかった。この点について、私はがっかりしているし、反対論者も行政もおかしかったと思います。 (中略) ―― 撤廃に対して最も強行に反対しているのは教師・教員組合です。7月17日には反対のためのシンポジウムを開きました。 松良 教員組合が何のかんのと言っているけど、教員組合というのは基本的にその人格は労働者であって教育者ではないということです。彼らはものを言う場合に学校教育法に基づいた意見を言うのではなくて、労働三法によったものの言い方をする。彼らには教育を論ずる資格はないです。彼らの言葉を聞いてはならないんです。これまで彼らをある程度相手にしてきた国家行政・地方行政の大きな間違いを、今回は正していただきたいと思う。彼らは看板には「子供のため」と掲げるけど、彼らの議論では最終的に労働者、つまり自分たちが受益者になる。 その一例が「ゆとり教育」です。かつて「教師のための週休2日制」という問題があった。これを文部省がねじって「生徒のための週休2日制」というウソのプロジェクトにした。勝手に読み替えた。これは文部省と日教組の共犯です。教員組合を教育団体として扱えば、このような間違いがまた繰り返される。彼らはあくまでも労働者団体です。もし日教組が政府に注文をつけるときは労働省にいくべきであり、文部科学省は絶対に撥ねつけるべきものです。この間違いは今回、正してほしい。私の学校でも団体交渉の中で教育問題に関して交渉を行なうことは、私が常盤木学園に来てからは止めています。 ―― 教育者としてでなく、労働者として交渉してくるわけですからね。 松良 教育の受益者はあくまで生徒でなくてはならない。それが教員組合は生徒のためと言いながら、最後には自分たちを受益者にするというシナリオで動いてくる。 今回もそんな感じですね。 松良 学区制があって平均的な学校が多い方が教師は勉強しなくていいから、楽だということですよ。学区制が撤廃されれば、公立高校はいろいろな面での特色がもっと発揮されると思う。それに合わせて転勤があると、教師たちはこれまでと同じ仕事では済まなくなる。撤廃は教師にとって辛くなるでしょう(笑い)。 (中略) ―― 私学にとっては厳しいですね。 松良 公立との価格差(入学金・授業料など)が大きいだけになおさら厳しいです。 そうした状況下に私学はどう対応していきますか。 松良 公立高校の指導よりもっといい指導をすることだけでしょう。今まで以上に修業することしかない。価格差の解消は当面できませんから、商品の質を上げていくしかない。そのためには指導者の力量が重要で、それで勝負していくしかない。それで勝てなければ去りゆくしかないです(笑い)。 (中略) 日教組のエゴイズムが最大のガン ―― 日教組は平等をはき違えているように思います。 松良 学力格差がいけないことなのか。教育には競争はなじまないという理屈はどこから出るのか。それらの説明を聞いたことはないですよ。今の社会は多かれ少なかれ競争社会です。それを順番つけない運動会だとか、そういうバカなことをやっている。これでは生きる力が身につくわけがない。我々が生徒たちに与えなくてはならないのは、一人で生き抜く力と未来の幸せです。それをぬるま湯につけて、世の中に出たとき戦う力のないような子供を卒業させてはいけない。それは日教組の彼らが努力したくないから、戦いのない社会で学校を維持していこうというもので、これはエゴイズムです。 (以下略) |
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