| パロス 2006 11月号(第20号) ダイジェスト article digest 2 |
新連載 遺賢列伝 ※宮城県内の各分野で活躍する人物を評伝する |
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中村 功 宮城県議会議員 自由民主党宮城県連幹事長・宮城県農業会議会長 農業が育んだ「農政のプロ」 |
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「幹事長の役割はひとえに選挙に勝つこと。三つの大きな選挙に勝利したことで、ホッとしている」と笑みを浮かべる。 その「周囲の人たちのために汗をかくのは嫌いじゃない。政治家の務めだ」と語る本人が、今度の県議選では激しい戦いに直面することになる。遠田選挙区はこれまで定数2名で、前回、前々回は無競争だったが、今回から定数1に削減。県内選挙区でも有数の激戦区と見られている。もちろん「負けるわけにはいかない」が、それは自分のためばかりではない。「宮城県並びに日本の農業が大きな転換期にあり、この時期に確固たる農業政策を打ち立て、実践しなくては、先行き日本の農業は崩壊する」という危機感があるからだ。 事実、中村氏が県議として政治の場に踏み込んだのは「農政の矛盾を感じ、それを解決していく必要がある」との強い思いからだった。県議になって今日に至るまで、その志がぶれたことは一度たりともない。経歴をみてもわかるように、県議3期12年間を農業・産業経済分野一筋に精力的に取り組んできており、農業を含む第一次産業について数々の政策提言を行なってきた。それも机上の論理を振りかざすのではない。自ら専業農家として3.2ヘクタールの田畑を耕すほか、生産組合でも45町歩を経営している。農業の大切さ、辛さ、喜びなど、諸々のことを肌で感じているということだ。「県議の中で農業について最も理解・熟知しているのは中村県議」(県庁職員)という評価があるのも当然だろう。 では今後の農業はどうあるべきなのか。中村氏はこう提言する。 「農業を経営としてどう維持していくかに尽きるだろう。これまでのような補助金農政だけではダメなことは、多くの農家が知っている。だが、知っていても現実には改善がなかなかできない。しかし、やらなくては立ち遅れるだけだ。コメづくりは大切だが、それだけにあぐらをかいてはいられなくなっている。実際、単作地帯の弊害も出ている。現在、農業生産物の価値観を高めることと、農業の多面的機能を図ることに取り組んでいるが、今後はさらに進めていく必要がある。バイオへの転換や代替エネルギーとしての利用はその一つだ。また一方では食糧自給率を高めなくてはならない。コメをはじめ農作物は戦略物資としての役割もある。 私はこうした農業の変動期にあって、農家の皆さんと一緒によりよい農業が行なえるように行動していきたい。県議として農家の皆さんのメッセージを発信していくことが、私の役割だと思っている」 もちろん、県議の仕事は一分野にとどまるものではない。遠田郡にあって関心が高いのは合併だが、この点について中村氏は構想を描いている。 「先の合併で各町町民の意向は明らかになった。問題はこれからで、第二次合併があり得るし、その場合、吸収合併になるだろう。それでは町民感情にしこりが残る。私は時期を見て美里町と涌谷町が合併し、市になるべきだと思う。そうしないと周辺の市に埋没してしまうし、市になることで県からの権限委譲がなされることになるし、そうしないと今後の発展は望めないのではないか」 また、産業振興についても「遠田郡の場合、第一次産業に偏りすぎている。宮城県は富県戦略を掲げ、自動車産業を根づかせようとしている。その意味ではトヨタ自動車が宮城県に眼を向けてくれたことは『黒船到来』で、産業振興のいい機会だ。自動車産業は各種産業が集約・集積した業種。その中にあって遠田郡内にも、いずれ各製品の下請け・孫請けができる企業を育成していきたい。そのためには幅広い人的交流を図っていく必要がある」と語る。 一方、少子高齢化の中では今まで以上に福祉の充実が求められるが、中村氏は「地域の人たちには厳しいかも知れないが」と前置きして、「現実的な福祉」「実行可能な福祉」を提唱する。
もちろん、県議である以上、地元のことばかりに腐心してはいられない。宮城県全体を見据えたとき、最も問題なことは仙台市に何もかもが集中していることだ。この一極集中が必然的に地域格差をもたらしていることは否定できない。この点、中村氏は「これ以上の地域間格差、一極集中が続けば、郡部は経済的・生活面で空洞化が起こるし、現に起こりつつある。今のところ解決策は見い出せないが、早めに対策を打ち立てたい」という。 モットーは「不言実行」。「僕は口べただし、パフォーマンスは嫌い。政治家は行動で評価されるべきもの」。 涌谷町の自宅には父母・妻・三男夫婦・孫2人の、4世代8人家族が住む。「6カ月の孫から87歳のオヤジまでいて、楽しいやら、騒がしいやら」と目を細める。「農業は地道な仕事だし、耕して生産して暮らしていく、地道な生活。これは日本人の原点だと思うし、誇りにしている」 農業が育み(はぐくみ)、農業を知り尽くした政治家がここにいる。昭和25年生まれ。宮城県小牛田農林高校卒。遠田選挙区。 |
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