| パロス 2006 11月号(第20号) ダイジェスト article digest 4 |
「文化後進県・宮城」のお粗末さ |
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利用者泣かせの辺鄙な施設
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| 「文化度」なる言葉がしばしば用いられる。マスコミも使うし、居酒屋での酒談義でも「東京は文化度が高い」「あの県は文化度が低すぎる」などという。この「文化度」は県民性や教育水準を指すこともあるが、文化施設・教育施設について評している場合も少なくない。 その施設数に限っていえば、宮城県はまがうかたなく「文化先進県」である。図書館・美術館・博物館から競技場・サッカー場に至るまで、県立の施設でないものはない。仙台市も「学都」「楽都」と冠しているように、学校数・施設数は他の都市に比べて抜きん出ている。 だが、この「文化度」を「文化施設の集積度・集約度」として見た場合、宮城県は「後進県」と呼ばざるを得ない。利用者にとって、これほど不便な施設はめったにないからだ。東北各県と比較してみれば、そのことは歴然としている。 宮城県は東北最低の使い勝手の悪さ
至便なのは秋田県と福島県だ。秋田県は秋田駅から歩いてわずかな場所に千秋公園があり、県民・市民の憩いの場所になっているが、この公園内に史料館があり、その南側に図書館と美術館が隣接されている。福島県も福島駅からは遠いものの、福島交通飯坂線に「図書館・美術館駅」を設置し、美術館と図書館がセットで構えてある。美術館と図書館の間にはレストランがあり、共通の入場券で両館に入れるようになっており、利用者から好評を博しているという。 どの県にしても、多くの人が利用しやすいように設置していることが窺われる。そのせいだろう「休日ともなれば利用者は散歩と知的好奇心を兼ねて、図書館と美術館をハシゴしている人が多いようです」(福島県立図書館員)という。 では宮城県はどうかというと、全く比較にならないと言える。利用している人はご存知だと思うが、県立図書館は仙台市泉区の外れの紫山にある。仙台駅から行くには地下鉄とバスを乗り継いで行かなくてはならない(車でも40分はかかる)。一方、県立美術館は仙台市青葉区川内にあり、こちらも駅から車で15分はかかる。東北歴史博物館は多賀城市にあり、仙台市からは遠方に位置している。 東北の他の5県なら美術館・図書館・博物館をゆっくり回ることができるが、こと宮城県では各施設が離れすぎて設置してあるため、一日ではよほど強行軍でもしない限りは不可能だ。そのため利用者から「使い勝手が悪い」「なぜこんなに離れた所に建てたのか」という不満が当然のように出ている。 (中略) それだけでなく、こうした施設が点在することは教育にも有形無形の影響を与えかねない、との指摘もある。ある教育関係者は次のように洩らすのだ。 「教育というのは学校だけで学ぶもの、学ばせるものではない。日頃の生活の中でさまざまなことに興味をもつこと、もたせることが教育の原点なはず。そのためには図書館や博物館・美術館などの文化施設が身近にあることが望ましいし、施設が集約していれば、それだけ派生的にいろいろなことに関心をもつようになる。子供たちの犯罪が多くなっているけど、図書館や美術館に行くことによって情操教育にもなります」宮城県の教育水準は決して高いとは言えない。このことは大学進学率が低いからということではなく、県が確たる教育ビジョンを示していないことが大きい。その教育に大きく関わる施設を如何に有効利用してもらうかは、県の役割でもある。 今ある図書館や美術館を壊して一つの場所に集約することなどできやしない中で、どうやって利用者が使いやすいと感じる施設にしていくか。決して小さな問題ではないと思われるのだが。 |
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