創刊第3号
(2001.12)
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河南町商工会
 地域活性の牽引役を担う商工会・商工会議所。「商工会通信」はこれらの組織がどのような活動を行なっているかを紹介していくもの。シリーズ3回目の今号は、来年創立40周年を迎える河南町商工会である。
  河南町商工会(今野修利会長)は商業部・工業部・サービス業部・青年部・女性部の5部で構成されている。現在の会員数は472名。河南町内の商工事業者数は745名で、そのうちの63%が会員になっており、年々わずかながらも会員数が増えている。多くの商工会・商工会議所で会員の減少傾向が顕著になっている中で、会員比率の高さと会員数が増加していることは特筆に値しよう。
それだけ地元商工業者が河南町商工会に寄せる期待と信頼が大きいということであり、同時に商工会もその期待に応えてきている現れでもあろう。
 実際、河南町商工会は硬軟両面で積極的な活動を展開している。例えば軟=イベント的な事業では、毎年秋に開催される「商工会大運動会」もその一つ。町内の前谷地・広渕・鹿又・和渕・北村・須江の6地区による対抗戦を行なうもので、球入れや丸太切りリレーなど、大人から子供までが参加。今年で早や29回を数え、商工会のみならず河南町の一大行事として定着している。町内を巻き込んだ形でこうした一大イベントを商工会が継続的に実践している例は稀有のもので、県内でも初めてと評価されている。

 同様に、会員とその家族との交流を深めるための「会員親睦交流会」も毎年1度実施しており、
今年で4回目になる。
 これらの企画の趣旨は「商工会が活動していくためには、会員や地域の人々とのコミュニケーションを図っていくことが原点」というもの。言うは易く行ない難い住民との意志の疎通を、楽しめるイベントを通して図っている好例であろう。
 一方、硬=商工会本来の事業についても、社会・経済情勢を見据えた活動を行なっている。その一つに「IT(情報技術)推進事業の実施」がある。
中小企業の情報化が立ち遅れていることは、国内共通の課題。このため河南町商工会では昨年からホームページを開設し、商工会情報をはじめ町内の企業・商店街情報、地域のイベント情報などを掲載。この企業・商店街情報への掲載募集を呼びかけ、中小企業経営者にIT社会への参画・対応を促そうというものである。すでにその成果が現れており、現在約60事業所が掲載中で、これは他の商工会より多いという。
 並行して「パソコン・インターネット相談室」と「パソコン講習会」を開設するなど、地元企業への便宜を図っている。

 同様に「創業・経営革新のための支援体制の強化」も河南町商工会の重点事項の一つ。このため地元経営者に商工会に加入するメリットを説明するとともに、@経営指導(無料の企業診断・経営診断の実施)、A金融(国・県・町の制度を活用した低利の融資の斡旋)、B税務(記帳の仕方から決算・申告までの指導)、C労務(労働保険や従業員の雇用・退職の手続きの代行)、Dその他(他の制度より安価な各種の共済・保険の加入など)−−について迅速・懇切な対応を展開している。
 こうした「会員並びに地元の人々のかゆいところに手が届く商工会にしていく」という方針が信頼と評価を得ているのだろう、すでに税務申告の指導の申し込みと、労働保険の加入がそれぞれ200件にものぼっているという。
 他方で、商工会・商工会議所は地域唯一の経済団体として、大所高所から見据えた地域経済の活性化を果たしていく役割がある。この実践のためには行政側との連携・スクラムが不可欠である。この点、河南町商工会では平成9年から毎年1度「地域活性化懇談会」を開催。商工会側の会長・副会長・各部会長と、行政・議会側の町長・議長・議会内の各常任委員長がそれぞれ出席して、地域活性化のための意見・要望を開陳し合っている。
 この懇談会の中から行政の施策として実施されたものも少なくなく、最近の例では@企業の後継者対策のために町が支援、A企業に対する融資制度の拡充、Bパソコン研修に町が支援−−などが挙げられるという。これなども商工会の役割とその存在を物語るものであろう。
 また、地域経済を振興していく上では、新たな地域おこしの取り組みが欠かせないが、この点でも河南町商工会は町内の商店会と連携して実践している。その一例が和渕地区で事業展開している「水辺の学校」と「和渕川の駅」である。

 この2つの事業は和渕地区が旧北上川と江合川の合流地点にあることから、川を生かしたまちづくりで和渕のアピールと商店街の振興を図っていこうというもの。発案は和渕地区の若手経営者たちだが、これに和渕商店会と河南町商工会も協賛・支援して具現化した。「水辺の学校」ではキャンプ場や自然体験ゾーンなどを活用して自然を満喫してもらい、「和渕川の駅」では川辺の町を散策しながらショッピングをしてもらうという、両者が連動した町おこし事業である。
 同じような「地域おこし」「町のアピール」ということでは、特産品の積極的な展開も見逃せない。清涼飲料の「レッド・シーソ」がそれである。
この飲料は河南町が県の村おこし事業の一環として平成3年から研究開発してきたもので、赤しそを用いたジュースとして商品化に成功。今や河南町の特産品として県内各地にも浸透してきているが、河南町商工会としては町のイメージ商品として、更なる生産拡大・販路の拡張を図っていく方針である。

 もっとも、こうした地道かつ大小取り混ぜた事業活動を展開しても、不況のあおりを受けて、地域経済の活性化の足取りが遅々として進んでいないことも事実である。このことは河南町商工会のみならず、宮城県内の各商工団体に共通する思いであろう。
 そうした環境の中で、河南町商工会としての課題は「昼間人口が流失傾向にあり、これが町の雰囲気を沈滞ムードにしている。何とか明るい展望を見い出し、河南町内で働けるような場をつくりたい」という。このため今後は「これまで以上に地域に根ざした活動に取り組んでいきことはもちろん、県内外に河南町をアピールし、観光と企業誘致を含めた事業展開を図っていく」と意欲をのぞかせる。
 奇しくも来年は創立40周年という節目の時。ユニークかつ積極的な河南町商工会の活動が、大いに期待されていると言えそうである。

河南町メモ

 河南町は面積約69
・33平方`、人口約
1万8千人。石巻市
の西側に隣接し、肥
沃な大地と、旧北上
川、江合川の一級河
川が流れ、県内有数
の穀倉地帯である。
 主な産業は稲作・
施設園芸の農業と、
弱電・縫製の製造業
が特色。また、風光
明媚な県立自然公園
や国宝級の遺物を展
示する宝ケ峯縄文記
念館など、恵まれた
自然と文化・歴史を
生かした観光事業に
も、近年は力を注い
でいる。

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